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- 眠くなるマジックの使い手
- 手品の舞台を観に行って、気が付いたら寝ていたという経験はありませんか? 演技内容が退屈すぎて寝てしまう訳なのですが、こういった眠気を誘う演技に共通点があげます。
1.静かな音楽、単調なリズムを使用している。
2.ルーティン内で似たような現象が続いている。
3.手品現象が分かりづらい。
4.期待感・わくわく感に乏しい。
以上のような特徴がみられます。
なぜ、これらの要素を含むと眠くなってしまうのでしょうか?
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- 眠くなる原因は「馴化(じゅんか)」
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馴化とは、同じ刺激を受け続けると、その刺激に対する反応が鈍くなり、刺激として感じなくなってしまうことです。
これって、すごく恐ろしいことですよね?
手品は不思議さと驚きに特化した芸能であるのに観客が演技を刺激として感じなくなってしまっているのです。ということは、「観客の脳がその演者を驚きの対象として認識していない」ということになります。
多少偏見を含みますが、眠たくなる演技の多くは「幻想的」「アート的」「しっとり、おだやか、シリアスな雰囲気」といった要素を含むことが多いです。
手品は驚きと不思議さを期待される芸能ですので、そこを最優先にルーティンや演出を組むことが王道であるのですが、上記のような要素を最優先にしてしまうと、どうしてもマジック的な部分が薄れます。繰り返しになりますが、観客が期待しているのは、不思議さと驚きです。その演者が何を表現しようとしているのかを、わざわざ考えてくれるお客様は少ないです。残念ながら観客に残るのは「がっかり感・期待外れ感」になること多いのが、私の経験則です。
最後にお客様を眠くさせないルーティンの特徴をお伝えします。
簡単です、冒頭で触れた「眠くなる手品の共通点4つ」の逆をやればいいのです。
1.静かな音楽、単調なリズムを使用している。
→BGMに強弱や変化を織り交ぜる。効果音を使うのもあり。
2.ルーティン内で似たような現象が続いている。
→似た現象が続かないようにルーティンを組む。前後の演者と内容が被らないようにする。
3.手品現象が分かりづらい。
→変化はお客様に思ったほど、伝わっていません。分かりやすくて大きな変化を心がけましょう。
分かりにくくて、インパクトも弱い現象なら、ルーティンに入れるべきではありません。
4.期待感・わくわく感に乏しい。
→最後のクライマックスに期待感を残すようにルーティンを組みましょう。
終盤を盛り上げるには、序盤と中盤がしっかりしている必要があります。「このマジシャンには期待できる!」と観客に思わせることが出来ればいいのです。補助的な手法としてBGMの変化で期待感を煽るという演出も効果的です。
参考になれば幸いです^^ ではでは
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